ITパスポート 2027年度の変更点|新3分野と休止の影響

ITパスポート 2027年度の変更点|新3分野と休止の影響

来年からITパスポートの中身が変わるって聞いたけど、難しくなるの? いま勉強している内容は無駄にならない?

あおい

気になりますよね。先に答えを言うと、試験時間と問題数は今と同じです。変わるのは、出題分野の整理と、新しく加わる内容です。

この記事では、ITパスポートの2027年度の変更点(新しい3分野・追加される内容・休止の影響)を、IPAが公表しているシラバス案をもとに整理します。

「難しくなるのか」は、IPAが難易度に触れていないため断定できません。そのかわり、増える範囲と外れる範囲を事実で並べて、学習量の見通しを立てます。

現行の試験は、最長で2026年12月27日まで受けられます(会場によっては、それより前に休止します)。今受けるか、新制度を待つかの判断材料も最後にまとめました。

※2026年10月時点のIPA公表内容(シラバス案など)にもとづきます。正式決定ではなく、変更の可能性があります。

この記事でわかること
  • 2027年度に変わる点と、変わらない点(120分・100問)
  • 新3分野「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」の中身
  • 追加されるマインド・スタンス、データマネジメント、AIの内容
  • 「難しくなる?」に公式がどこまで答えているか
  • 休止の影響と、現行で受けるか新制度を待つかの目安
目次

ITパスポート 2027年度の変更点|変わる3点・変わらない3点

ITパスポート 2027年度の変更点|変わる3点・変わらない3点

変わるのは、出題分野の再整理・新しい内容の追加・技術寄りの項目の対象外化の3点です。

一方で、試験時間120分・100問とCBT方式は今と同じです。

現行と2027年度案を並べた比較表

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項目現行2027年度(案)
出題分野ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」
追加・強化される内容-マインド・スタンス、データマネジメントの基礎、AI利活用・AI技術・AI倫理
対象外になる項目現行は出題ありアルゴリズム・プログラミング、システム開発の工程と開発・運用の方法論、セキュリティ実装技術・評価にあたる項目
試験時間・問題数120分・100問120分・100問(同じ)
合格基準総合評価点600点以上(1,000点満点)かつストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のそれぞれで300点以上公式記載なし(分野が変わるため、引き継がれるかは不明)

表のとおり、形式は同じで、中身が組み替わるのが全体像です。

変わらないのは試験時間・問題数・方式

新しい試験の試験時間は120分、出題数は100問で、現行と同じです。会場のパソコンで解答するCBT方式のままなので、受験の流れも大きくは変わらない見通しです。

実施は2027年度春頃から通年

新制度のITパスポートは、2027年度の春頃から通年で実施される予定です。2027年度は、2027年4月から2028年3月までを指します。具体的な開始日はIPAから出ておらず、その手前の2026年12月28日以降にCBTの休止が入ります。

ITパスポートの新3分野|「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」

ITパスポートの新3分野|「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」

出題分野は、現行のストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系から、「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」の3分野に再整理されます(案)。名前が変わるだけでなく、セキュリティと倫理・法規が独立した柱になります。

各分野に何が入るのか、順に見ていきます。

新3分野に入る主な内容

シラバス案の項目から、主なものを分野別にまとめました。

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新しい分野主な内容(案)現行との関係
ビジネスビジネス変革の方法論、経営戦略・デジタル戦略、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、データマネジメント、データ分析、AI利活用、経営・組織論、ガバナンス・監査現行のストラテジ系・マネジメント系が中心。データ・AIの項目が加わる
テクノロジデジタルサービス・ツール、システムの種類・構成、クラウド、ネットワーク、データベース、AI技術、情報デザイン・情報メディア現行のテクノロジ系が中心。クラウドとAI技術が独立
セキュリティ・倫理情報セキュリティの脅威・マネジメント・対策、情報倫理・AI倫理、ビジネス関連法規、プライバシー関連法規、セキュリティ関連法規現行の法務・セキュリティが独立してまとまる

30項目のうち26が対象

知識の出題体系は、IPAの試験全体で共通の7つの大分類・30の中分類に作り直されます。ITパスポートが対象にするのは、このうち26の中分類です(中分類は、出題範囲を細かく区切った項目のことです)。

ITパスポートに追加される3つの内容|マインド・データ・AI

ITパスポートに追加される3つの内容|マインド・データ・AI

追加・強化されるのは、マインド・スタンス、データマネジメントの基礎、AI関連の3つです。デジタルをどう使い、どう考えて動くかまで問う方向の内容です(案)。

カタカナ用語が並ぶと、身構えてしまいますよね。シラバス案の用語例を交えて、かみ砕いて紹介します。

マインド・スタンスはITパスポートだけ

マインド・スタンスは、現行にない新設の項目です。IPAの全区分のうち、出題されるのはITパスポートだけです(案)。

ねらいは、DX(デジタルを活用した変革)を自分事として捉えて行動できるか。変化への適応や、事実に基づく判断などが行動例です。

用語例には、アジャイルなふるまいやアジャイルソフトウェア開発宣言、KPTが見られます。KPTは、Keep・Problem・Tryで振り返る手法です。

データマネジメントの基礎

データマネジメントの基礎も新しく加わります。データを集めて終わりではなく、整えて管理する考え方を学ぶ項目です。

用語例は、データガバナンス、データライフサイクル、DIKWモデル、メタデータ管理などです。DIKWモデルは、データから情報、知識、知恵へ価値が高まる流れを表します。

AIの利活用・技術・リスク

AI関連は、利活用・技術・リスクの3方向で整理されます。

  • AI利活用:人間中心のAI社会原則、AI事業者ガイドライン、識別AI・生成AI・AIエージェントの活用、ガードレールなど
  • AI技術:LLM(大規模言語モデル)、In-Context Learning、トークン、RAGなど
  • AIのリスク・倫理:ディープフェイク、プロンプトインジェクション、ハルシネーション、フロンティアAIなど

ここに挙げた言葉は、シラバス案の「用語例」です。すべてが出題されると決まったわけではなく、範囲の方向性をつかむ手がかりです。

ITパスポートは難しくなる?|公式が示していること・いないこと

ITパスポートは難しくなる?|公式が示していること・いないこと

結論として、確認できた範囲ではIPAは難易度の上下に触れていません。「難しくなる」とも「ならない」とも言えないので、事実だけを分けて見ていきます。

ネットで「難しくなる」って見かけたけど、本当なの?

あおい

公式には書かれていないんです。推測で不安になるより、わかっていることを順に確認していきましょう。

公表されていないこと

IPAが示しているのは、試験時間・問題数、出題分野の構成、シラバス案の中身、そして8月31日公開のサンプル問題です。一方で、分野ごとの問題数と合格基準は公表されていません。現行の合格基準は、総合評価点600点以上(1,000点満点)で、かつストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のそれぞれで300点以上です。

新制度では分野そのものが変わるため、この基準が続くのかはわかりません。合格率や得点の配分も出ていないため、難易度は現時点で比べようがないのが正確なところです。

増える範囲と外れる範囲

学習量の面では、増える部分と減る部分の両方があります。増えるのは、マインド・スタンス、データマネジメントの基礎、AI関連です。外れるのは、アルゴリズム・プログラミング、開発・運用の方法論、セキュリティ実装技術にあたる項目です。

どちらが重くなるかは、問題数の配分が出るまで言えません。迷ったら、IPAのサンプル問題を一度のぞいてみてください。難しさの感じ方は人それぞれなので、実物で確かめるのが確実です。

「難しくなるか」を気にするより、新しい3つの内容を補うと考えたほうが、準備の方向がはっきりします。

ITパスポートの休止|12月27日までの受験と再開の見通し

ITパスポートの休止|12月27日までの受験と再開の見通し

ITパスポートのCBT試験は、2026年12月28日以降いったん休止されます(会場によってはそれより前)。再開時期は未定で、2026年10月時点では2027年1月以降の実施も告知されていません。

休止の日程と再開の告知

IPAの案内では、休止の開始は2026年12月28日以降です。再開時期は決まっておらず、2027年1月以降の実施は、2026年秋頃に告知するとされています。IPAの案内ページを、ときどき確認しておくと安心です。

会場によっては、12月27日より前に休止になる場合があります。受験の予約を取る前に、希望する会場の最終日を確認してください。

9月28日以降にITパスポートを新規で申し込む場合、選べる開催日は12月27日までです。バウチャーの購入申込は、7月31日から一時停止中です。

休止中の過ごし方

試験を受けられない期間も、学習を止める必要はありません。休止中にできることは、次の3つです。

  • 現行の範囲で、経営・法務・ネットワーク・セキュリティの基礎を固める
  • マインド・スタンス、データマネジメント、AIの3項目を、シラバス案で確認する
  • 再開と新制度の告知が出ていないか、IPAのページを確認する

基礎の分野は新しい体系にも入っているので、今の学習は土台として活きる見込みです。追加される3項目の比重はまだわかっていないため、シラバス案で確認しながら補っていきましょう。

現行で受けるか新制度を待つか

決め手は、受験の時期がどれだけ決まっているかです。

  • 12月27日(会場により前倒しあり)までに現行で受ける:就活や社内の期限などで、時期が決まっている人
  • 2027年度春頃の新制度を待つ:時期に余裕があり、データやAIまで学びたい人
  • まず現行の範囲で学び始める:迷っている人。年内に間に合わなければ、追加3項目を補って春頃に受ける

年内に間に合うか微妙なんだよね……。

あおい

年内が難しくても、選択肢は残っています。基礎の学習は新制度でも土台になる見込みなので、続報を見ながら進めましょう。

現行の出題範囲に沿って学びたい方は、ITパスポート試験のUdemy講座をまとめた記事も参考になります。なお、その記事の「最新シラバス対応」は2024年4月の改訂のことで、2027年度の見直しとは別のものです。

\ 今のうちに基礎から学び始めたい方へ /

ITパスポートの次の一歩|データマネジメント試験(仮称)と他区分の扱い

ITパスポートの次の一歩|データマネジメント試験(仮称)と他区分の扱い

IPAは、新設するデータマネジメント試験(仮称)をITパスポートの次のステップと位置づけています。ITパスポートで追加される内容ともつながりが深いので、次の目標として知っておく価値があります。

データマネジメント試験の位置づけ

データマネジメント試験(仮称)は、2027年度の夏頃から秋頃に始まる予定の新設試験です。AI活用に必要なデータの整備・管理スキルを問い、科目A48問・科目B12問で合わせて120分です。主にビジネス部門の方が対象とされています。

全体像は、データマネジメント試験とは何かを解説した記事で詳しく紹介しています。

データマネジメント試験の科目Aは、データマネジメント・データ分析・AI利活用が重点分野です(案)。このうちデータマネジメントとAI利活用は、ITパスポートで新しく加わる項目と同じ名前です。

出題のイメージは、データマネジメント試験のサンプル問題の解説で確認できます。

次の目標として意識するなら、データマネジメントの基礎を動画で先に触れておく方法もあります。試験専用の講座ではありませんが、基礎が学べる講座を比較した記事があります。

\ ITパスポートの次に備えて、データ管理の基礎を動画で学べます /

他の区分の扱い早見表

データマネジメント以外の区分もあわせて確認しておきましょう。気になる区分名を選べば、詳しい解説に進めます。

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試験区分2027年度の扱い(案)実施時期(予定)
ITパスポート継続(出題分野を3分野に再整理)2027年度春頃から通年
情報セキュリティマネジメント継続(科目Aの体系などを一部変更・範囲は変わらない)2027年度春頃から通年
基本情報技術者継続(科目Aの体系などを一部変更・範囲は変わらない)2027年度春頃から通年
データマネジメント(仮称)新設2027年度夏頃〜秋頃
プロフェッショナルデジタルスキル(仮称)新設(マネジメント/データ・AI/システムの3区分)2027年度夏頃〜秋頃
情報処理安全確保支援士継続(試験時間と科目Bの形式などを変更)2027年度夏頃〜秋頃
応用情報技術者・高度試験(現行)2026年度の実施をもって終了予定(プロフェッショナルデジタルスキル試験に再編)2026年度の前期・後期が最後

ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者の現行CBT試験は、2026年12月28日以降いったん休止の予定です(会場によってはそれより前)。再開時期は未定です。

現行の応用情報技術者試験・高度試験が、新しい3区分のどれに対応するかはIPAから示されていません。

ITパスポート 2027年度に関するよくある質問

ITパスポート 2027年度に関するよくある質問

ITパスポートの2027年度の変更点について、よくある疑問をまとめました。

2027年度のITパスポートは、いつから新しくなりますか?

2027年度の春頃から通年で実施される予定です。具体的な開始日は、2026年10月時点で出ていません。

2027年度のITパスポートは難しくなりますか?

確認できた範囲では、IPAは難易度の上下に触れていないため、断定できません。

マインド・スタンスやAIの内容が加わる一方、アルゴリズム・プログラミングなどは対象から外れます。

いまの教材で勉強しても大丈夫ですか?

2026年12月27日(会場により前倒しあり)までに現行の試験を受けるなら、現行の範囲に合った教材が基本です。

新制度で受ける場合、基礎の分野は新しい体系にも入っていますが、追加される3項目は別途補う必要があります。

ITパスポートの休止はいつまで続きますか?

再開時期は未定です。2027年1月以降の実施は、2026年秋頃に告知される予定です。

すでに合格している場合、新制度ではどうなりますか?

既存の合格資格の扱いについて、IPAは公式に示していません。

IPAが検討中の学びのプラットフォームには、過去の合格情報も登録・活用できる見込みとされています。

2027年度以降の受験料や合格基準は決まっていますか?

2026年10月時点では、公式に記載がありません。続報が出たら確認してください。

ITパスポート 2027年度の変更点|まとめ:現行で受けるか、新制度を待つか

ITパスポート 2027年度の変更点|まとめ:現行で受けるか、新制度を待つか

ITパスポートの2027年度は、形式はそのままに、中身が組み替わります。

この記事のまとめ

変わること:出題分野が「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」の3分野に再整理され、マインド・スタンス、データマネジメント、AIの内容が加わります。
変わらないこと:試験時間120分・100問とCBT方式は現行と同じです。難易度については、確認できた範囲ではIPAが触れていません。
受験時期:現行の試験は2026年12月27日まで(会場により前倒しあり)。時期が決まっているなら年内を、余裕があるなら2027年度春頃の新制度を検討しましょう。

まず取る行動は、IPAのサンプル問題を一度見て、年内に受けるかどうかを決めることです。基礎から始めたい方は、下の記事も参考にしてください。

参考資料
新試験制度のシラバス案について | IPA
情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について | IPA
新試験制度のサンプル問題について | IPA
CBT方式試験の実施に関するご案内 | IPA

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